あなたのオフィスにも「隙」がある?

犯罪心理

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つい魔が差して、オフィスから機密データを持ち出してしまった」――報道などでよく耳にする、この「魔が差す」というフレーズ。一体、どういった心理からの発言なのでしょうか。

「今なら見つからないだろう……」を誘う「隙」

「捕まえた犯人が『魔が差した』なんて往年の刑事ドラマに出てくるようなセリフを言い訳に使うことは実際多いですね。」元サイバー犯罪捜査官の御堂さん(仮名)が語ります。御堂さんによれば、取り調べにおける「単に魔が差したから」という自供は犯罪の理由にならず、事件解決への糸口にすら使えないのだそうです。

御堂さんはさらに続けます。「例えば万引きで、商品を盗んだ。これを『本当にそれが欲しかったので盗みたかった』と言わずに『魔が差した』と言うのは、犯人の頭の中に『隙があるな、今なら見つからないだろう』という意思と、何かしらのドキドキが犯行時にあったからなんです。」

ドキドキを感じたら……それは「故意」?

故意」とは何か――。ある種、法律家など犯罪を扱う者にとっては永遠のテーマです。日本において、犯罪は原則として「故意犯を処罰するもの」とされています。

御堂「取り調べで『多少のスリリングを感じていた』との供述が得られた場合、それは『故意』をもっていたと考えられます。故意とは『何かをしよう』という心理状態※。先ほどの例では万引きですが、そこにドキドキする気持ちがあるならば、そこには明確な目的があり、これから行う内容を知っているからこそ湧き出た感情なのですから、それ自身が『故意』と言えるでしょう。」

※ 刑事責任における「故意」は「罪を犯す意思」とされていますが、その具体的な意味や体系的な位置づけについては様々な論争が交わされています。

隙が無ければ魔が差さない――あなたのオフィスに潜む「隙」

このように、多少のドキドキと、それを後押しする「隙があった」という環境的要因が「魔が差した」という状態を作り出すのだと言えそうです。そして、そんな「魔が差す」という心理状態は、誰しもに起こり得るものなのです。

さて、ここで皆さんが勤めるオフィスを想像してみましょう。

様々な同僚、時には外部の人が出入りするオフィス。他人とは言え、仕事を共にするなかで抱く心理的な安堵感もあり、多くの方がオフィスに集う人々のことを信頼しているでしょう。ですがその信頼は、「油断」――すなわち大きな「隙」にもなり得ます。

自身でも気づかないうちに「隙があった」と言わせる環境をつくってしまっていることは多々あります。仲間として働く人々に疑いの目を向けたくなければ、まずは自身の「隙」をなくすこと。そうした「自衛」の姿勢が、オフィスでのセキュリティ向上につながる第一歩なのです。

あなたのオフィスの「隙」は大丈夫ですか?

PCのディスプレイを付けたまま、席を立っていませんか?

「自分には何の覚えもないのに、いつの間にか自分が情報漏洩や不正アクセスの実行犯になっていた。PCをいじった覚えは全くないのに……」ひょっとしたら、何者かが目を盗んで、あなたのPC(アカウント)を使って、悪事を働いているかもしれません。ほんの一瞬、席を立つだけでも、こまめな画面オフを忘れずに。

貴重品や重要書類を机上に置いたまま、席を立っていませんか?

免許証やクレジットカードの入った財布、スマホなど、慣れ親しんだオフィスでも、貴重品はなるべく肌身離さず持つべきです。また、仕事で使う重要書類は、使用時以外は必ずカギつきのキャビネットなどに保管しましょう。大事なお客さま情報が載った書類が、何者かに持ち去られ、無くしてしまった……そんな信用を失う事故の防止にもなります。

パスワードを、第三者に知られうるところに保存していませんか?

付箋でPCの横に堂々と貼っておく……などの対処法は厳禁です!袖机の鍵の保管についても同様のことが言えます。

不用意に個人情報を公開していませんか?

メールアドレスの文字列には会社名や個人名が用いられることが多く、個人情報になる可能性が高いです。オフィスでも、メールアドレスや電話番号を不用意に公開しないなど自己管理を徹底しましょう。個人の努力はもちろんですが、組織として従業員の個人情報がむやみに公開されないように図る(例えば、全社共通の連絡帳は使用しないなど)努力も、コンプライアンス上きわめて重要な取り組みのひとつです。

「暇」を持て余して、余計なネットサーフィンや検索などを頻繁にしていませんか?

仕事がないのでネットサーフィン。「社内失業者」が、情報漏洩などのリスクを大いに負っています。「暇」ゆえに業務上余計な行為をしやすく、セキュリティ的に見て危険なサイトにアクセスしたりと危険な行為にも及びやすい。人材マネジメント上の問題も、巡り巡って情報セキュリティに影響を与えています。

職場の人間関係は良好ですか?

日ごろの不満が積み重なった「怨恨」は、人を悪の道へ導きます。職場内のあいさつや、こまめな進捗確認の共有など、ちょっとした職場内コミュニケーションが職場の雰囲気を和らげ、また不正を起こさない相互監視の機能を果たします。

◆あわせて読みたい:不正アクセスは、「最弱」のセキュリティから

 

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